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vol.039 井比 晃

    井比 晃 【㈱HOME away from HOME Niigata 代表取締役】

    きらり~あの人この人~ vol.039

     

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     33歳。柏崎市出身、市内在住。脱サラし十日町市地域おこし協力隊として水沢地区で3年間活動し3月末で退任。
     ㈱HOME away from HOME Niigata(通称 HOME HOME)設立、代表取締役。トオコン2017創業部門賞受賞。




    「この地域の当たり前なことを商品に変えていく」

    井比(以下、井) 。

    ― 十日町市に移住した経緯を教えてください。

    井 以前勤めていた会社では営業の仕事をしていました。担当地域が十日町市で、仕事で通っているうちに十日町市のことが好きになりまして、この地で暮らしたいと思い、仕事を辞めて移住してきました。

    ― 思い切りましたね。

     元々やりたい事優先の人生なので迷いは無かったです。地域おこし協力隊として今年の3月まで、水沢地区で3年間活動をしました。水沢地区ではいろいろやらせてもらいました。地域の道普請から始まり、野菜の販路拡大とか婚活イベントとか、皆でシェアスペースを作るワークショップだとか、そんなことを主にやらせてもらいました。

    ― シェアスペース「みんなの家」ですね。どんな場所ですか。

    井 2年かけて延べ300人が関わって作った家です。みんなで作った、みんなに開放される家なので「みんなの家」と名付けました。ここが弊社のオフィスにもなります。
     キッチンスペースも整備しましたし、24席くらいあるので仮のカフェスペースみたいな開放もする予定です。2階に泊まることもできます。

    ― ㈱HOME away from HOME Niigata(以下、HOME HOME)ではどんなことをするんでしょうか。

    井 簡単に言うと「旅行の仕事」なのですが、もう少し踏み込んで言うとシェアリングエコノミーという考え方を基に、十日町市や新潟県に眠っている遊休資産をお金に換える仕組みを作り、それを観光客に体験してもらったり、買ってもらったり、そんな事業する会社です。
     例えば、料理作りが得意な地元のお母さん方のスキルを活かして、東京の人や海外の人に料理教室を開いてもらうとか、地元のお父さんたちと一緒に山菜採りに行くとか、土日しか営業をしないスキー場を平日に貸し切って遊び放題のプランを作るとか、この地域に住んでいると気づかない当たり前のことが、外から見ると非常に珍しい。そんなことがたくさんあります。それを商品化していき、この地域に眠っている宝を掘り起こしてお金に換えていくというところがこの仕事の肝になっています。

    ― 雪が3メートル以上積もるというだけでも、世界から見ると相当珍しいですよね。

    井 そうですね。特に東南アジアの国々のお客様から言わせると、相当アンビリーバボーです(笑)。東南アジアに今ネットワークを拡げて営業しているところです。
     今、クアラルンプールから1人、お客様がお越しになって40日間十日町市に滞在されています(取材当時)。クアラルンプールは都会なので自然があまりありません。「こちらには自然がたくさんあって、東南アジアとはまったく違う文化や食文化があってとにかく楽しい」と話してくださいました。決まったプランだけではなく、お客様のニーズにも柔軟に対応していきます。それが弊社の特徴だと思います。

    ― 昨年12月のトオコン2017創業部門賞おめでとうございます。プレゼンテーションでは落ち着いていましたね。

    井 ありがとうございます。偉そうにしていましたね(笑)。人前に出るのは苦手ではないので、そんなに緊張はしなかったのですが、当日練習した原稿の30%くらい残して70%は頭から飛びました(笑)。審査員の眼光に耐えながら頑張りました。
     この事業は一昨年の秋から冬ぐらいに思い付いて、トオコンまでの1年間はプランをブラッシュアップして発信し、仲間集めをしていました。

    ― 日本でも民泊が本格導入されますね。

    井 民泊は欧州などは当たり前になっていますので、十日町管内を中心にいろいろな方に声をかけて、ゲストを泊めてもらえませんか、とお願いして相談しているところですね。

    ― 今、HOME HOMEが必要としているものは。

    井 やはり農家民宿や、民泊のゲストが泊まれる所が今の何倍も欲しいと思っています。民泊だけではなく農業体験させてくださる農家とか、ゲストと一緒に染め物とか織物とかやってくれる着物職人さんとか、この冬にやった企画だと除雪車体験といって、子どもに除雪車の助手席に乗ってもらい、プロに運転してもらうんですが、とても喜んでもらいました。
     もっともっとたくさんの協力をしてくださる方を募っています。体験が弊社の一番のアドバンテージになると思っていますし、とにかく今の世の中は「何かを体験する」がキーワードになっていますから、それを愚直に作っていきたいです。

    ― 市民も関わったり、協力することができそうですね。

    井 この地域の当たり前なことを商品に変えていくっていうのが大事だと思っています。あくまでもこの土地の日常を切り取って商品にしていくのが仕事なので、皆さんの日常や生活の一部に観光客が入っていくと考えてもらうと、わかりやすいかと思います。自分ができることや協力していただけることを教えていただければ飛んでいきます。
     十日町市にはもっともっと多くの観光客を呼ぶポテンシャルがあると思っています。ぜひ一緒に十日町市を楽しい街にしていきましょう


    (2018年5月取材)






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