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vol.015 岡元 松男

    岡元 松男 【㈱きものブレイン・代表取締役】

    きらり~あの人この人~ vol.015

    ヒントはいつも消費者の声にあります。3~5年芽が出なくても、消費者が必要としているものであれば必ず芽は出ます。

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     ㈱きものブレイン・代表取締役。
     2013年9月、第5回ものづくり日本大賞(伝統技術の応用部門)で『水で洗える正絹長襦袢・単衣きもの「ふるるん」』が
     経済産業大臣賞を受賞。2012年には第2回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞・審査委員会特別賞を受賞するなど、
     人員整理なく黒字経営を維持・積極的な障害者雇用・社員教育の充実など、その経営手腕は高く評価されている。




    この価格では売れないと言われた

    ――第5回ものづくり日本大賞・経済産業大臣賞を受賞しての反響はいかがでしたか?

    岡元(以下、岡) 非常に大きかったですね。全国からお祝いの言葉と、商品を扱いたいという声をたくさん頂きました。現在では、北海道を除く日本全国で取り扱って頂いています。

    ――今回受賞した商品『水で洗える正絹長襦袢・単衣きもの「ふるるん」』の商品開発のアイディアはどこから生まれたのでしょうか。

    岡 夏用の襦袢のシェアは現在95%を安価なポリエステル製が占めています。その一番の原因は価格だろうと思っていました。ところが、様々な消費者の声を聞くと「水洗いできること」が原因でポリエステルに変えたのだと知りました。ただ「ふるるん」を販売する時も、販売店さんからは「この価格(通常の夏物の2~3倍)では売れない」と言われましたね。

    ――市場の反応はいかがでしたか。

    岡 販売店さんも最初は売れるとは思わなかったそうです。ただし、商品の特徴と水洗いの方法をお客様にお伝えすることを条件に取り扱って頂いたところ、その1社は3ヵ月間で1500反も売れたんです。「絹で簡単に水洗いできる商品ならすぐほしい」という人は多く、お客様がお客様を紹介し、説明すれば次々に売れていく状態でした。さらにポリエステルと全く異なる着心地の良さを実感頂いたことで、販売2年目はさらに売上が伸びることとなりました。



     

      ヒントはいつも消費者の声にある。消費者が必要としているものであれば必ず芽が出る。

    ――最初は不安要素が多いなか、よく開発・販売に踏み切れましたね。

    金 お店が無くなり、高齢者は電球一つ買うのにタクシーに乗って市街地まで行ったなんていう笑えない話があるくらいでした。買い物難民を無くしたいと考えに考えた末に、1年間勉強して、市役所やJA十日町の協力で昨年7月にオープンしました。

    ――そうした「消費者の声を聞く」姿勢が今回の受賞につながったのですね。

    岡 私どもの会社は若い社員も多く、障害者雇用も積極的に実施しています。売上が落ちたからといって人員整理はできません。そして私は、年率2%の成長をやり遂げることを全社員に約束しました。そして確実に成長するため、毎年必ず一つ以上の企画の種を15年間捲き続けてきました。その種は不思議と5~7年くらいで芽が出てくるんです。ヒントはいつも消費者の声にあります。3~5年芽が出なくても、消費者が必要としているものであれば必ず芽は出ます。当社の不文律は「商品が着物を着る方に喜んでもらえるか、着物を着るファンにつながるかどうか」、この二点です。これは儲けよりも優先します。「ふるるん」についても価格が高いことで喜んでもらえないのではないかと相当悩みましたが、私どもで宣伝費を負担しても、まずは市場に出し消費者の声を聞こうと。


     

      もっと気軽に着物を着られる商品開発を。

    ――今後の展開はどのように考えていますか?

    岡 まだ見えていない消費者のニーズがあると思います。今後も着物産業市場が縮小していく可能性はあるでしょうが、ある調査では8割の女性が「できれば着物を着たい」と思っていることが分かっています。そういう人に対し、もっと着物を気軽に着れて、興味を持って頂けるような商品開発をこれから考えています。我々が発展していくことが着物業界のためにもなるという想いで、年率2%以上の成長を目標に、これからも仕事に取り組んでいきたいと思っています。







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